おみそコラムcolumn
天然醸造

味噌のラベル等で「天然醸造」という言葉を目にされるかと思いますが、天然醸造とは味噌の熟成の方法です。

味噌の熟成とは微生物の発酵と分解の作用によるものです。その発酵を促すために人為的に加温等の温度調整をして、味噌を造っている処も多くあります。それに対して温度調整をせずに自然の成り行きに任せて発酵、熟成するのが天然醸造です。

六甲味噌の米赤味噌のほとんどは天然醸造です。天然醸造で味噌をつくるには日々変わる気温や気候の変化等に大変、気を配らねばなりません。特に地球温暖化が進んでいる昨今では発酵が早く進むことが多く、今までの経験では計れないことも多くあります。

それでも天然醸造にこだわるのは、出来上がった味噌の味わいに差が出るからです。急速な加温等をせずにじっくりと自然のままに発酵、熟成した味噌は、塩の粒子にアミノ酸の層が何重にもとり巻き、まろやかな味に仕上がるからです。そのため天然醸造の味噌は調理の際に少々煮込んでも、風味や香りが残り、味噌の旨味が損なわれにくいのです。