おみそコラムcolumn
味噌と美容の関係

テレビの健康番組等で時々、味噌がとりあげられます。世界各国の女性の中でも日本人は肌が美しい…と言われますが、原因の一つは食生活で、そこに日本の伝統食の果たす役割が多いと感じます。

日本特有の調味料の味噌は発酵食品で植物性の乳酸菌が含まれているため、以前より整腸作用の効果が言われてきました。よく便秘をすると吹き出物がでるとも言いますが、腸内がキレイな人は肌もキレイようです。また「みそサイエンス最前線」のレポートによりますと、味噌に含まれる遊離リノール酸にメラニン合成の抑制作用があると発表されており、味噌の美白効果の可能性が示されたと記されていました。

女性ならご存知の方も多いと思いますが、美白剤としてよく化粧品に用いられる成分に、アルブチン(コケモモ、梨等に含まれる成分)があります。「みそサイエンス最前線」のレポートでは、味噌はアルブチンに匹敵するメラニン合成抑制作用があり、その有効成分は味噌の発酵過程でできる遊離リノール酸にあると書かれています。リノール酸は豆・穀類などに含まれるもので味噌の原材料の大豆にも豊富です。ただ大切なことは大豆等のリノール酸とは違い、味噌では発酵過程で作られるグリセリンから切り離された遊離リノール酸となっていることです。この遊離リノール酸に美白の優れた効用があることが分かってきました。
遊離リノール酸は色素細胞のメラノサイトの中でチロシナーゼという酵素をめぐって作用しますが、農林水産省食品総合研究所の機能成分研究室の実験で、遊離リノール酸が色素細胞内でチロシナーゼの生成を抑制することで、メラニンの合成を抑制することが明らかにされました。
 
これらの実験結果から、みそ汁を毎日飲むことで、味噌の遊離リノール酸を日常的に摂取していれば、メラニンの合成を抑制するという仮説への希望が持たれます。遊離リノール酸は皮膚細胞を障害することのない安全性の高い物質です。化粧品のように肌につけるのではなく、食べることで体内からメラニン色素の合成が調節できるのであれば、一挙両得と言えますね。今後の研究発表に期待したいものです。