おみそコラムcolumn
塩糀[塩麹(しおこうじ)]

塩糀は日本の伝統的な調味料で、古くから野菜の漬け床等に使われてきました。近年は塩に変わる調味料として注目を浴び、多くのレシピ本も発売されています。

塩糀の原材料は米糀、塩、水のみです。これをよく混ぜ合わせて酵母が一番活性する温度帯で一定期間発酵させます。発酵の過程で時々かき混ぜ空気に触れさせることで、塩に糀の甘さが交わり、甘塩のような風味に仕上がります。

塩糀は従来の野菜の漬け床以外に、肉や魚に漬ける調理がお勧めです。なぜならば食品中のタンパク質やデンプンがアミノ酸に分解され旨味が増すからす。また糀の発酵作用により食品の材質を柔らかくするため、繊維質の野菜や茸の炒め物に用いると食べやすく仕上がります。糀の発酵力を用いた即席漬けは、野菜以外に豆腐や茹卵等にも活用できます。1時間程度漬け置くだけで、素材の旨味を引き出し、より美味しい味に変身させます。

近年、塩糀が大きなブームになったのは上記の万能調味料としての優れた点に加え、健康への効果も期待されるからだと考えます。まずは糀菌の酵素による消化吸収の助け、次にビタミンB群の働きによる疲労回復が挙げられます。特に女性にとっては嬉しい美容効果として乳酸菌による便秘解消、また腸内環境を整えることによる美肌効果、活性酸素の中和作用によるアンチエイジングまでもが言われています。

※「こうじ」の正しい漢字は「麹」です。
「糀」は国字(こくじ)と言い、漢字に倣って明治時代に日本で作られた漢字体の文字です。
麹は米・麦・大豆などを蒸し、室の中に寝かせて麹菌を繁殖させたものを言いますが、
六甲味噌では米にその菌を繁殖させているため、あえて「糀」の文字を使っています。