おみそコラムcolumn
塩と塩分のとり過ぎ

みそ汁は体に良い…と思うが塩分のとり過ぎが気になるという質問がよくあります。
確かに近年は生活習慣病との関係もあり減塩食が勧められています。そのため塩分に過敏になる方が多くいらっしゃいますが、味噌はそのまま食べることはあまりないので、味噌自体の塩分をさほど気にする必要はないと思います。また汁椀1杯分の塩分は、どのような種類の味噌を使っても大差はなく、みそ汁1杯の「美味しい」と感じる塩分には個人差はありますがだいたい0.9~1%です。(ちなみに当社の味噌は各商品説明に塩分を表示していますが、ほとんどが10%前後の減塩タイプの味噌です)

塩分のとり過ぎで問題になるのはナトリウムの過剰摂取による高血圧等ですが、ナトリウムは同時にカリウムと一緒に摂ると体外に排出しやすくなります。ですからカリウムを多く含む緑黄色野菜や海草類を、みそ汁の具にすると良いでしょう。また具材をたっぷり入れることにより、1椀の味噌の量を減らすこともできます。

ただ塩は体にとっても食品や料理にも大切なものなので、極端に減塩志向に走ることは良くないと考えます。塩は体を温めるので、控えすぎると体が冷える可能性があります。さらにはカルシウムを体にとどめる作用もあります。カルシウム不足はイライラ等の情緒不安定や骨粗鬆症を招くことなどにつながりますので、適度に塩分もとるバランスの良い食事を心がけていただきたいです。 

塩は他にも防腐効果があり、細菌を死滅させたり、増殖を防ぐ働きがあります。そのため昔から様々な食品の保存に利用されてきました。食品には適度の塩分がないと日持ちはしません。それは味噌も同様です。

近年、スーパーの売り場等に色々な塩が並ぶようになりました。特に目立つのが天日塩とか岩塩の自然派志向のものや、これらの塩を一度、溶解して濾過し、にがりを加えた商品等です。塩そのものは安全な食品ですが、細菌の中には塩が好きな菌もあるのをご存知でしょうか?あまり神経質になる話ではありませんが、ご興味のある方はインターネットで「塩の情報室」を検索してみてください。日本で販売されている食塩は天日塩や岩塩を溶解して徹底的に洗浄、精製して食用としていますので大丈夫ですが、小口輸入してそのまま売られているものには、たまに岩や埃等の異物が混じっていることもあるので気をつけてください。