おみそコラムcolumn
「黒大豆味噌」を使って西洋料理をちょっぴりアレンジ
味噌トマトクリームパスタ
【材料】1人分
玉ねぎ 1/4個
にんにく 1/2片
スパゲッティ 100g
トマト水煮缶 200g
生クリーム 100ml
黒大豆味噌 大さじ3
オリーブ油 適量
塩 適量
こしょう 適量
【作り方】
  1. 玉ねぎとにんにくはみじん切りにする。
  2. フライパンにオリーブ油とにんにくを入れて火にかけて炒める。香りが立ってきたら、玉ねぎを加えてさらに炒める。
  3. 玉ねぎが透き通ってきたら、トマト水煮缶を潰しながら加えて煮詰める。
  4. ③に生クリーム、黒大豆味噌を入れ、塩、こしょうで味を調える。
  5. 鍋にたっぷりの湯を沸かし、塩を加えてスパゲッティをゆで、④のソースとからめる(スパゲッティのゆで汁を適量加えて濃度を調節する)。
レシピ考案:Bチーム/山本初華、山本葉月、米澤愛優、櫻木美邑
学生のレポート(B)
六甲味噌と出かける伊・仏への旅

「黒大豆味噌」を使って西洋料理をちょっぴりアレンジ

「黒大豆味噌」を用いて洋の世界へ誘(いざな)いたい_、それが私たちグループのテーマ。いわば六甲味噌と行くイタリア、フランスへの旅といったところであろうか。味噌、醤油は和食を代表する調味料である。それを和だけのイメージに留(とど)めておくのは勿体ないように思えた。既に使っている人はわかるだろうが、味噌は西洋料理とも相性がいい。冷蔵庫を開けると、どこの家庭でも味噌が入っているだろうから嘘だと疑う人は一度試してほしい。

「今日のランチどうしよう?」と迷うなら味噌で調味したパスタをオススメしたい。数ある六甲味噌の商品群の中でも使いたいのが「黒大豆味噌」。この味噌は、丹波産大豆ならではの甘さが利いたもの。まったりとした味わいが特徴でもある。六甲味噌製造所に聞くと、「兵庫県産の米と兵庫県丹波産の黒大豆を100%用いて仕込んだ天然醸造の味噌です」との話であった。流石に黒豆のトップブランド丹波産を使っているだけに味がいい。粒が残っているため、炒め物にするといい香りが出る。これをパスタ素材に用いると、ソースのコクが増し、まろやかになるはずだ。前述したように「黒大豆味噌」には、粒が残っているため、香りもほんのり香ばしく、食欲をそそる。加えて黒豆には健やかな成分が多いからヘルシー志向にもぴったりな一品となる。

パスタのベースは、トマトクリームで、玉葱を炒め、透明になったらトマト水煮缶を加えて煮詰めていき、そこに生クリームと「黒大豆味噌」を入れて塩、コショウで味を調える。この「味噌トマトクリームパスタ」は、甘さと上品な香りがする。トマトクリームに「黒大豆味噌」を混ぜることによって濃厚になるのだ。味噌の香ばしさと酸味が利いたソースは、まさに和風イタリアン的要素を放つ。定番イタリアンパスタでも味噌が入ることによって何となく落ち着くのだ。やはり日本人は、子供の頃から味噌に接して来た証しでもあろう。

続いて誘(いざな)うのは、フランス洋菓子の世界。「味噌トマトクリームパスタ」で残った「黒大豆味噌」で焼き菓子を作り、アフタヌーンティを楽しんで欲しい。巷ではマカロン花盛りだが、私たちはむしろダックワーズに味噌を使うことを選んだ。ダックワーズとは、アーモンド風味のメレンゲを使った焼き菓子。現在、日本の洋菓子店でも人気の高いスイーツなのだが、実は日本で広まっているのはアレンジされたものだといわれている。ダックワーズの語源は、フランス南西部のダックスという町である。19世紀末に存在したアンリ4世なるお菓子を祖形としているようだ。アンリ4世はスポンジ風のものだが、その地を改良してダックワーズが考案された。フランスではダコワーズと呼ぶそうだが、もともとはケーキの土台として利用されており、その小型判のダックワーズは、フランスに在住していた日本人パティシエの発案といわれている。

ダックワーズ自体は、そんなに難しいスイーツではない。味噌使いも同様に簡単である。生地で挟むクリームの中に「黒大豆味噌」を混ぜる_、すると塩っぽさが出て、ほんのり味噌の味が口内に広がるようになる。よく甘いものが苦手なんていう男性がいるが、このダックワーズは、味噌が入っている分、甘さも和らぐので男性でも美味しく食せると思う。

六甲味噌と行くイタリア・フランスのグルメツアーはいかがだったろうか?味噌汁や鍋物、味噌漬けなど和食に多様される味噌も、パスタやスイーツ(ダックワーズ)といった西洋料理においても活躍する一例である。いつもの食事にプラスして、キッチンから食卓へと「黒大豆味噌」で世界旅行をしてみてほしい。

(文/大阪樟蔭女子大学学芸学部ライフプランニング学科 山本葉月)