おみそコラムcolumn
鮭と野菜のワンパン味噌チーズ蒸し
【材料】2人分
  • 塩鮭 2切れ
  • 白菜 1/4個
  • キャベツ 1/4個(外側半分を使用)
  • にんじん 1/2本
  • もやし 1袋
  • えのき茸 1/2袋
  • シュレッドチーズ 適量
※みそだれ
  • 芦屋そだち赤だし味噌 大さじ3
  • みりん 大さじ3
  • 料理酒 大さじ3
  • 砂糖 大さじ2
【作り方】
  1. みそだれの調味料をあらかじめ混ぜ合わせておく。
  2. 白菜は芯の部分を長さ1/3ぐらいにして細切りにし、葉の部分は一口大に切る。にんじんは短冊切りに、キャベツは一口大に切る。えのき茸は半分の長さに切る。もやしはひげ根を取っておく。
  3. フライパンに塩鮭を入れ、もやし以外の野菜を載せる。1)のみそだれをかけて蓋をし、中火で10分蒸す。
  4. もやしを加えて弱火で2分加熱し、さらにシュレッドチーズを載せて溶けるまで加熱する。

【ワンポイント】
シュレッドチーズは、皿に盛ってからレンジで加熱してもいいです。

レシピ考案:Bチーム 本郷早映・宮本葵衣・高田莉央・中村友紀
学生のレポート(B)
色んな野菜が摂れる女子大生版チャンチャン焼き

「フードメディア演習」を受講する大阪樟蔭女子大学学芸学部ライフプランニング学科の学生達が“女子大生が考案する味噌ワールド”をテーマにレシピ開発を行った。今回使用する味噌は「六甲味噌製造所」で造られている「芦屋そだち赤だし味噌」である。この味噌は、同社の赤味噌「芦屋そだち米赤味噌」と国産大豆を使った豆味噌を独自の配合でブレンドした商品で、タイトル通りシンプルに味噌汁用に使うのが一般的。でも今回は「女子大生らしい視点で新たな可能性を見出せるようにレシピを作れ」と言うのが授業での命題であった。

私達が考えたのは、北海道の郷土料理の一つ、「チャンチャン焼き」_。それを女子大生なりにアレンジしてみた。チャンチャン焼きとは、秋から冬にかけて獲れる鮭と、旬の野菜を蒸し焼きにして味噌で調味した料理で、石狩地方の漁師町で生まれたと伝えられている。名前の由来は、「ちゃっちゃと作ることができる」や「お父ちゃんが作る」「焼く時に鉄板とヘラがチャンチャンと音を立てる」など諸説ある。なんでも石狩では昭和初期に船の上で漁師が釣った鮭を、ドラム缶を用いた鉄板で焼いて作ったのが発祥ではないかといわれている。平成19年に石狩鍋、ジンギスカンとともに農山漁村の郷土料理百選に選ばれているが、すでに全国区になっており、今では色んな家庭でも作られているのではなかろうか。「鮭のチャンチャン焼き」は、手軽に作ることができる利点がある。しかも一品で豪華に見え、栄養のある野菜も一緒に食せることから幅広い世代から人気もあるようだ。

主な食材としては、鮭にキャベツ、玉葱、人参、ピーマン、もやし…、そして調味料は味噌である。私達はピーマンを外し、白菜とえのき茸を足し、女の子が大好きなチーズも使用してみた。作り方は、至って簡単_。鮭とカットした野菜に、「赤だし味噌」を使ったタレを掛け、蒸し焼きに。そして出来上がる直前にチーズを加えるのだ。注意すべき点は、あふれるぐらいの野菜を入れること。出来上がりが、当初の半分程まで嵩が低くなるために多すぎるぐらいが丁度いい。「赤だし味噌」を使った「チャンチャン焼き」は、従来の赤味噌を用いたものより、味噌の風味をより感じることができた。野菜ともよく絡み、思わずご飯が欲しくなってしまった。チーズを加えたことで、特有のまろやかさが得られ、あまり野菜を食さない人でもたくさん食べることができるのでは…。

このメニューを思いついたきっかけは、女子大生を始めとする現代の若者が野菜不足に陥っていると知ったから。特に一人暮らしの人は深刻で、毎回ご飯のメニューに悩んでいるとも聞いた。そこで我々は、野菜供給をテーマにブレストを重ねてみた。当初は、回鍋肉を和風にアレンジしようかとのアイデアもあったが、どうしてもキャベツが主であることから、もっと色んな野菜を摂れる方がいいと思ったのだ。その点、「チャンチャン焼き」は、工程がとても簡単であること、色んな野菜をたくさん食せることが特徴的。また、味噌の風味もよりよく出ると思われた。

味噌について調べてみると、発酵することでアミノ酸やビタミン類が増加し、原材料となる大豆には本来含まれない酵母や乳酸菌も摂取できるそう。“味噌は医者いらず”なるフレーズがあるほど、今も昔も優秀な健康食品であることが分かった。さらに日持ちがいいことから一人暮らしの人でも手軽に健康管理ができそうと考えたわけだ。各々の食材の栄養がしっかり摂取できるこの「チャンチャン焼き」のさらに良い点は、アレンジが効くこと。今回使用した食材以外でも冷蔵庫に寝ていたものを入れてもいいし、別に主材料も鮭がなければ鱈や鰆などでもいいわけだし、魚類ではなく豚肉や鶏肉でも代用可。味噌は、さまざまな食材と相性がよく、「チャンチャン焼き」はアレンジも無限大な料理であると思えた。特に今回使用した「六甲味噌製造所」の「芦屋そだち赤だし味噌」は、よりこの料理に向いている。普段なら定番の味噌汁にしようするところを、「チャンチャン焼き」に利用することで“女子大生が考える味噌ワールド”ぶりが発揮できたのではないだろうか。

(文/大阪樟蔭女子大学学芸学部ライフプランニング学科 高田莉央)